ヘルペスは他の性病に比べて再発性の高さや完治が困難な点がやっかいです。しかし、治療薬を服用することである程度症状を抑えることができます。

感染力の強いクラミジア

クラミジアは、性行為1回で約50%の確率で感染するほど強い感染力を持つ感染症であり、日本国内に100万人以上の感染患者がいる日本で最も感染患者の多い性病です。
病原菌のクラミジア・トラコマティス菌に感染する事が原因で発症します。
クラミジア・トラコマティス菌は菌単体で増殖する事出来ない偏性細胞内寄生菌であり、人間の粘膜から離れた乾燥した環境では数時間で感染力を喪失する事から病原菌が粘膜に直に接する性行為による感染経路がほとんどです。
クラミジアは病原菌のクラミジア・トラコマティス菌が感染患者の細胞内で形成した封入体内で2分割の細胞分裂を48時間~72時間程度のサイクルで行う事が原因です。
炎症の発生リスクが非常に低く、免疫抗体が正常に機能しない事が多く一般的には1週間~3週間程度の潜伏期間が1カ月経過しても発症しない事もあるだけで無く男性と女性で症状が異なる特徴があります。

クラミジアは、一般的に1週間~3週間程度の潜伏期間を経て発症しますが、女性の感染患者は男性に比べて重症化するリスクが高い特徴があります。
女性の感染患者は、性行為によって膣内や子宮頸管部の粘膜で病原菌のクラミジア・トラコマティス菌が繁殖する事で発症初期に膣炎や子宮頸管炎などを発症します。
おりものの色の変化やおりものの異臭、不正出血などの症状が現れる事がありますが、女性の感染患者の約8割に自覚症状が現れず放置する感染患者が多くいます。
クラミジアは、放置すると膣内や子宮頸管部の粘膜で増殖した病原菌が子宮を経て卵管や卵巣まで上行感染し38度を超える高熱や膿性のおりものの排出などの症状を伴う卵管炎や卵巣炎を発症します。
軽度の炎症時にはほとんど症状を発症しない事が多く卵管から病原菌が腹膜にまで感染患部を広げ骨盤内腹膜炎を発症する事があります。

男性の感染患者は、性行為によって尿道に侵入したクラミジア・トラコマティス菌が繁殖する事で排尿痛や掻痒感、尿意切迫などの自覚症状が現れる尿道炎を発症します。
しかし約50%の感染患者に自覚症状が無く放置される事が多く重症化する感染患者も多くいます。
クラミジアは、感染に気付かず適切な処置を怠ると尿道から前立腺や精巣上体に炎症が拡大し前立腺炎や精巣上体炎などを発症してしまいます。
38度を超える高熱や下腹部の強い痛みなどの症状を発症すると共に炎症により精管が癒着してしまい不妊症の原因となる事もあります。

クラミジアの治療薬、ジスロマック

クラミジアの治療薬には、ジスロマックやクラリスロマイシン、ミノサイクリンなどのタンパク合成阻害作用を示す抗生物質に加え、クラビットやジェネリック医薬品のレボクインなどのDNAジャイレース阻害作用を示す抗生物質があります。
ジスロマックは、細胞内で細胞の構成に必要な構造タンパク質の生合成を行うリボゾームの構成するサブユニットと選択的に結合する事でクラミジア・トラコマティス菌の構造タンパク質の生合成を阻害する医薬効果を発揮します。
マクロライド系のジスロマックとクラリスロマイシンは50sサブユニットに結合し、テトラサイクリン系のミノサイクリンは30sサブユニットと結合する事でタンパク合成阻害効果を発揮します。

ジスロマックは、アジスロマイシンを主成分とする事で細胞性免疫を担う食細胞に取り込まれ易くなります。
組織の隙間を遊走する食細胞に取り込まれる事で感染患部への医薬成分の移行性を血中濃度の10倍~100倍に高められ、少ない医薬成分でも充分な医薬効果が得られる治療薬です。
ジスロマックは、治療に必要最低限以上の医薬濃度を維持し続ける事で医薬効果が増強される時間依存性薬物です。
上部消化器官の消化液の影響を最低限に抑制し小腸で長時間安定的にアジスロマイシンを放出する特殊製剤法マイクロスフェアを施した事により、1回の服用で薬物治療を完了する事も可能な治療薬です。

クラビットやレボクインは、DNAジャイレース阻害作用を持つレボフロキサシンを主成分とする抗生物質です。
レボフロキサシンは病原菌のクラミジア・トラコマティス菌のDNA鎖を切断及び再結合する事でDNAの複製を効率的に促進する酵素DNAジャイレースの作用を阻害しクラミジア・トラコマティスの増殖を抑制します。
また、レボフロキサシンは、複製後の絡まったDNAの分割を適切に行う為にDNA鎖を切断及び再結合する酵素トポイソメラーゼの作用を阻害し、DNAの分割を滞らせる医薬効果でクラミジア・トラコマティス菌の増殖を抑制します。

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